ネットで「スーパー 社員」とググると「スーパー 社員 転勤が多い」「スーパー 転勤が多くてブラック」って出てくる。
小さな個人経営のスーパーでは、それほど転勤は多くないと思いますが、全国チェーンや地域にドミナントで出店している店舗数の多いスーパーでは頻繁に転勤があります。
「スーパーって、そんなに転勤が多いの?」「どれくらいの頻度で転勤があるの?」「通えない店舗に転勤になったらどうするの?」「転勤が多いのって、いいの?悪いの?」
そんな疑問にお答えします。
この記事を書いた人
- 東証一部のスーパーに勤めて40年
- 店長歴は12年
- 水産バイヤー歴10年
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転勤の頻度はどれぐらい
転勤の頻度は役職で少し変わります。
店長
店長の転勤はだいたい2年に1度のペースで行われます。
店長の転勤の頻度は一般社員よりも多いのが実情です。
これは店長という立場上、店舗会計などの不正を行いやすいために、あまりひとつの店舗に長く滞留すると不正の可能性が高くなるからです。
このため、ひとつの店舗で3年以上滞留することは少なく、2年に1度のペースで転勤があります。
一般社員
店長と違い、一般社員は一店舗の滞留期間は少し長いです。
長い人だと5年くらい滞留することがありますが、平均すると3年くらいで転勤します。
専門職
本部の人事部やバイヤーなどの専門職は店舗の業務と異なるために、だいたい5年以上と長くなります。
なぜ、スーパーは転勤が多いのか
スーパーの転勤が多い理由は下記の8点が挙げられます。
- 常に新しい店舗を作るため
- 不振店舗の立て直し
- 新入社員が入ってくる
- 退職者の穴埋め
- 休職者の穴埋め
- 昇進
- 業務の変更(本部勤務)
- 不正の防止(店長のみ)
それぞれについて説明していきます。
常に新しい店舗を作るため
チェーンストアのスーパーは店舗を増やすことで売り上げを拡大していきます。
ですから、毎年数店舗の新店を立ち上げます。
その新店要員として転勤があります。
だいたい、新店舗へ転勤するのは優秀な人や人事の評価の高い人が抜擢されます。
そして、玉突きで転勤が行われます。
不振店舗の立て直し
店舗は経年劣化や競合の出店によって売り上げが減ってきます。
これを立て直すために抜擢された人が転勤することがあります。
新入社員が入ってくる
私のスーパーでは毎年150人前後の新入社員が入ります。
最初の半年は集合研修が行われますが、盆を過ぎたころから、それぞれ人員が不足している店舗に配属されます。
それを受けて既存社員の玉突きの転勤が行われるというわけです。
退職者の穴埋め
スーパーの退職者は多いです。
おそらくスーパーの人事部は、この問題でいつも頭を悩ませているはずです。
私も店長の時は常に人事部に電話して、退職者の補完を要請してましたから。
この退職者の穴埋めをするために転勤が行われます。
休職者の穴埋め
同じく、スーパーでは心身に不調をきたして、休職する人も多いです。
この穴埋めをするために転勤が行われます。
昇進
これは、「一般社員がチーフになる」「副店長が店長になる」という昇格も含まれますが、それ以外にも「チーフがチーフになる」ということも含まれます。
どういうことか説明します。
スーパーには色々な店舗があります。
店舗の大きさも売り上げも全く違います。
当然、「大きい店舗」「売り上げの大きい店舗」の方が格上なわけです。
ですから「チーフ」でも能力の高い人は、より大きな店舗、より売り上げの高い店舗へ転勤します。
こういう転勤もあるのです。
業務の変更(本部勤務)
店舗で働いていると、ある日突然に店舗でなく本部勤務の転勤の辞令を出されることがあります。
本部の業務改革や組織変更で新しい部署が増えることもあり、そこへの転勤があります。
店舗の人間にとっては憧れの本部勤務ですが、実際に本部で勤務すると息苦しくて疲れます。
店舗の方が自由でいいですね。
店長は不正の防止
転勤の頻度の項目でも話しましたが、店長は会計不正を防止するために転勤があります。
今は電子マネーやスマホ決済の普及で、店舗の金庫に現金が入っていることは少なくなりましたが、20年くらい前なら金庫に数千万円が眠ってましたからね。
転勤のメリット
転勤のメリットは下記の2点です。
- 昇進でモチベーションアップ
- 人間関係のリセット
昇進でモチベアップ
これは多いです。
大きな店舗、売り上げの大きい店舗へ転勤するということは、自分の能力を評価されたということですから、やっぱり嬉しいです。
ただ、逆のパターンもあって、その時は落ち込みますね。
人間関係のリセット
これは人によって違いますし、今の店舗での状況でも違いますので、メリットにもデメリットにもなります。
「今の売場の人間関係が悪い」「店長のパワハラがひどい」
そんな店舗にいる人ならば、転勤で店が変わるのはメリットです。
ただ、新しい店が今の店よりいいという保証はありませんが。
店舗ガチャですね。
嫌な上司に当たっても、転勤頻度を考えると、一緒に仕事するのは長くて2年。早ければ1年で済みます。
期間が限られていれば嫌なことも我慢できますからね。
転勤のデメリット
転勤のデメリットは下記の2点です。
- 新しい人間関係を構築しなければならない
- 通勤が遠くなる可能性
新しい人間関係を構築しなければならない
人見知りのする人や順応性の低い人は、「やっと今の店に慣れて、人間関係も築いたのに」と思うでしょう。
新しい店でもう一度最初から人間関係を構築しなければなりません。
これは人見知りの方には、けっこうなプレッシャーになりますよね。
通勤が遠くなる可能性
今の店舗は車で10分なのに、新しい店舗は1時間!!
こんなこともざらにあります。
でも、通えるならまだマシ。
県外の遠隔地への転勤で単身赴任!ということもあります。
ちなみに私も独身時代に1回、結婚してから単身赴任を2回経験しています。
遠隔地への転勤を防ぐ方法(地域限定社員)
親の介護などでどうしても自宅を離れることができない。
そんな方には「地域限定社員制度」を使いましょう。
最近は多くのスーパーで採用されている制度です。
自宅から通える(1時間程度)範囲での転勤しかありませんが、店長などの役職に就けないなどの制限があります。
実際に私の会社でも女性の方は使われている方が多いです。
まとめ
- 転勤の頻度は店長で「2年に1度」、それ以外は「3年に1度」
例外としては本部の専門職(バイヤーなど)は5年以上と長くなる - スーパーの転勤が多いのは
・常に新しい店舗ができる
・不振店舗の立て直し
・新入社員が入ってくる
・退職者の穴埋め
・休職者の穴埋め
・昇進
・業務の変更(本部勤務)
・不正の防止(店長のみ) - 転勤が多いメリット
・昇進でモチベーションアップ
・人間関係のリセット - 転勤が多いデメリット
・新しい人間関係を構築しなければならない
・通勤が遠くなる可能性 - 遠隔地への転勤ができない場合は「地域限定社員制度」を使う
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
転勤が多いことはメリットも多くあるので、それだけでブラックな要因にはならないです。
また、どうしても遠隔地に転勤できない方は「地域限定社員制度」を使うといいでしょう。
それでも転勤が嫌でスーパーからの転職を考えておられる方は一度「ミイダス」でご自分の市場価値を調べてみましょう。
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