スーパーの犯罪 5種類とその対策をスーパー歴40年の元店長が解説します

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不特定多数のお客さんが来店するスーパーでは、毎日のように犯罪が起こります。
今回はスーパーの犯罪の中でも頻繁に起こる「犯罪5種類」に関しての対策を説明します。

これを読めば、スーパーでの犯罪の手口が分かり、犯罪を未然に防ぐことができます。

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目次

スーパーの犯罪 5種類 ①万引き

スーパーでいちばん多い犯罪は「万引き」ですね。

「そんなの万引きGメンを雇えばいいのに」と思うあなた、考えが甘すぎます。
「万引きGメン」を一回入れるのにいくらかかるか知ってますか?
私が店長の時は「1回6時間で 1万5千円」が相場でした。

スーパーの利益率は「2~3%」ですから、「1万5千円」の元を取ろうと思えば売上を「50万円」上げないとペイできないんです。
だから店長は「万引きGメン」を入れるのを躊躇します。

ということで、自分たちで万引きを未然に防ぐのですが、やはり基本は頻繁に売場を回ること。そしてお客さんへの声掛けになります。

犯罪者の心理として「顔を見られた」「声をかけられた」というのはプレッシャーになるみたいです。
こちらは顔なんて覚えてないけど、見られたほうは「顔がばれてるかも?」と思うみたいですね。

あと、こちらと頻繁に目が合う人は注意です。
こちらの動向をうかがっている可能性がありますから。

そして、買い物カゴの中に自分のエコバッグを入れてる人も要注意です。
特に最近は老人の万引きが増えています。
捕まえた80%以上は70歳以上の老人ですね。
老人が買い物カートに覆いかぶさるように押して、カゴの中に自分のエコバッグを入れている人は注意して見るようにしています。

たまに、お客さんから「あの人、さっき商品を自分のカバンに入れた」とか、自店のパートさんが「店長、あの人万引きした」と連絡が入りますが、実際に自分が現認しない限りは声をかけません。
なぜなら、他の人は犯人が商品をカバンに入れてたのは見ても、そのあとに犯人から目を離しているからです。
自分で最初から最後まで見ていないと怖くて声なんてかけられません。
誤認であれば土下座では済まないからです。

しかし、疑わしい行為をしても罰せられずに、誤認をすれば徹底的にたたかれる。
すごいハンデ戦ですよね。

この辺は法改正か技術革新でなんとかならいかと思いますね。

  • 万引き防止は「売場巡回」と「声掛け」
  • 自分で現認する以外でお客さんに声をかけるのは危険
  • 頻繁に目の合う人、カゴに自分のエコバッグを乗せている人は注意

スーパーの犯罪 5種類 ②盗難

スーパーの盗難で多い商品は何だと思います?

「黒毛和牛」?「まぐろ大トロ」?

私の経験上では圧倒的に「ビール」。
それも「アサヒ スーパードライ 350mlのケース24本入り」これがダントツ1位です。
そして「お米」も多い。

高額、日持ちがして、換金しやすい、ネットで捌きやすい
こんな商品が狙われやすい。

だから、スーパーも考えています。
皆さんの行くスーパーを見てください。
「ビール」と「お米」はレジの前にありませんか?

あれは、お客さんが重量物をレジに運びやすいという理由と「盗難防止」という目的があるのです。

私は店長の時にはレジの方にお願いしていました。
「ビールを3ケース以上、米を2袋以上カートに乗せている人がいたら管理者に連絡すること」と。

だいたい、これで盗難は防げましたね。

最近、増えてきたのは外国人による「コスメ」と「高級ウィスキー」の盗難。
どちらも海外で日本製は人気あるので、海外で売りさばくんだろうね。

「コスメ」に関しては結構、死角になっているので防犯カメラの角度変更を実施。
現物を置くのは1アイテム1個のみ。残りはバックルーム保管。
2千円以上の単価のコスメは写真を掲示。現物はレジで受け渡し。

「高級ウィスキー」は2千円以上は写真掲示にして現物はレジ渡しに変更。

  • 盗難が多いのは「アサヒ スーパードライ 350mlのケース24本入り」とお米
  • ビールを3ケース以上、米を2袋以上カートに乗せている人がいたら要注意
  • 「コスメ」と「ウィスキー」は写真掲示で現物はレジ渡しに変更

実際の事件に関しては自著「店長は見た!スーパーに潜む魔物たち」に書いてありますので。興味があれば読んで下さいね。

スーパーの犯罪 5種類 ③返品詐欺

返品詐欺というのは買っていないのに「買った」とウソをついて返金のお金をだまし取ること。

私の店では必ずレシートを提示してもらいます。
でも、こういう犯罪者は「レシートなんか捨てた!信用できんのか!」とすごんでくるヤツが多い。

次にするのが「会員カード」の有無。
カードを提示していれば、何をいつ買ったかすぐにわかります。
でも、こいつらは「カードなんて持ってない」と絶対に言います。

次はその商品がいつ売れたか販売履歴を調べます。
今はすごいですよ。過去一年の販売履歴が検索できます。
それで調べると販売履歴はだいたい「無し」と出ます。

販売履歴が無い商品の返金はできませんからお断りして終了です。

スーパーで返品詐欺がいちばん多い商品は何か分かりますか?

意外かもしれませんが「男性カミソリの替え刃」です。

「男性カミソリの替え刃」って小さい割に値段は「2千円~3千円」とけっこう高いんです。
犯罪手口はこうです。

売場で「男性カミソリの替え刃」を万引きします。
それをトイレなどで開封し、中の1個を折り曲げます。
それをレジに持ってきて「不良品だから返金しろ」とくるわけです。

ところが販売履歴は残っていませんので、返金はお断りします。
「カミソリの替え刃」は盗られたけど、金を奪われることは阻止できます。

こんな手口はスーパー内では常識なのに、未だにこんな手口を使う奴らがいることに驚き、呆れます。

  • レシートの無い場合は販売履歴をかくにんして、履歴がない場合は返金を断る
  • 「男性カミソリの替え刃」の返金は99.9%返品詐欺

スーパーの犯罪 5種類 ④自販機詐欺

これは「自動販売機にお金を入れたのに商品も出てこないし、返金もされない、どうしてくれるんだ!」というやつです。

結論から言うと、飲料の自販機は店の物ではありません。
あれは「コカ・〇ーラ」さんとか「ジャパン 〇バレッジ」さんとかの所有物なので店には自販機を開ける鍵も無ければ開ける権利もありません。

だから、自販機の設置会社に連絡して対応してもらうしかないのです。

でも、犯罪者たちは「時間が無いから店で立て替えろ」と騒ぎます。
それでもお客さんの「名前」「住所」「電話番号」を聞いて、もしお金が詰まっていたら現金書留で送付すると言い張ります。

自販機の会社に連絡すると1時間程度で来てくれます。
今の自販機はすごいですよ。
何時何分に何の硬貨が投入されたのかまで履歴が残ります。
だいたいが、硬貨なんて投入されていません。
お客さんにその旨を伝えようと聞いてた番号に電話すると
「この番号は現在使われておりません」まあ、そんなもんですよね。

他にも店には「ガチャガチャ」というトイカプセルの自販機があります。
あれも「お金いれたのに商品が出てこない」という人がいます。
だから「返金しろ」とくるわけです。

あれは店舗に鍵があるので、開けて下に溜まっているお金を取ります。そして私がお金を投入し、回して出た商品をお客さんに渡します。
お金自体をお客さんに返すことはしません。
別にウソであっても損するのはガシャポンの商品だけです。
それにあの商品は店の物でないからこちらは痛くもかゆくもありません。

  • 飲料自販機はメーカーさんでないと対応できないと突っぱねる
  • ガチャガチャは店の人間が回すか、お客さんに目の前で回させて商品を渡す

スーパーの犯罪 5種類 ⑤痴漢

スーパーの痴漢行為でいちばん多いのは女子トイレの盗撮です。

その前に「女子トイレ」は必ず奥に、「男子トイレ」は必ず手前に配置されているのを知っていますか?
あれは犯罪を予防するためです。
「男子トイレ」が奥にあると通るまでに「女子トイレ」が見えるので、それを防ぐ意味があります。

盗撮だけはなかなか未然に防ぐということができません。
ですから事件が起きてからの対策となります。

事件が起きればすぐに防犯カメラを確認します。
さすがにトイレの中に防犯カメラを設置するわけにはいかないので、トイレの通路に設置している防犯カメラの映像を確認します。
今のカメラは高性能ですし、画像も拡大できます。
犯人の顔もはっきり映ってます。

それを社員全員にコピーして配布します。

盗撮の性癖がある犯人は必ず同じところで同じ犯罪をしますから、注意しておいて犯人が店にきたらすぐに警察に連絡します。

  • 必ずトイレ前通路に防犯カメラ設置
  • 犯人画像は社員全員に配布して次の事件を未然に防ぐ

いかがでしたか?
スーパーには不特定多数のお客さんが来店されるので事件が多いですが、気をつけていれば未然に防げます。
安心安全な店舗にしたいですね。

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