「新卒でスーパーに入社しても辞める人が多いって本当なのかな?」
「スーパーって入社3年以内の離職率が高いっていうけどそうなの?」
はい!本当です。
新卒 3年以内の離職率は全体平均で「32.0%」なのに対し、小売業の3年以内離職率は「36.7%」
平均より「4.7%」も3年以内離職率が高いことが分かります。
今回は私が勤めているスーパーの口コミを徹底調査して「本当に辞める原因」は何なのか?
また、その口コミは正しいのかどうか?
このスーパーで40年間働いている私が検証して皆さんにご報告したいと思います。
この記事を書いた人
- 東証一部のスーパーに勤めて40年
- 店長歴は12年
- 水産バイヤー歴10年
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スーパーを退職する人の基本データ
まずは、男女の比率、在籍年数、辞める理由を見ていきます。
男女比率
比率 | ||
男性 | 67 | 75% |
女性 | 22 | 25% |
全体 | 89 | 100% |
男性:女性の比率は「3:1」です。
私のスーパーの男女比率は「4:1」ですから、少しだけ女性の離職率が高いのが分かります。
在籍年数の比率
比率 | ||
1~3年 | 49 | 54% |
4年~8年 | 24 | 27% |
9年以上 | 17 | 19% |
全体 | 90 | 100% |
やはり、3年以内に辞める人が「54%」と圧倒的に多く、新卒から30歳までに辞める人は「81%」
逆に30歳を超えると「19%」しかいなくて、これは30歳超えると逆に転職できないということが言えるのかもしれません。
若ければ、転職のチャンスは広がり、年齢が高くなるにつれて転職のチャンスは少なくなります。
まずは、あなたの市場価値を調べて、今の給料と比較してみましょう。
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どういう理由で辞めるの?
比率 | ||
サービス残業が多い | 22 | 23% |
休日が取れない、年末年始に休めない | 17 | 17% |
仕事量が多くて体力的にきつい | 17 | 17% |
長時間労働に耐えられない | 15 | 15% |
将来的なスキルが身に着かない | 10 | 11% |
仕事にやりがいがない | 8 | 8% |
給料が少ない | 3 | 3% |
企業風土が合わない | 3 | 3% |
お歳暮、クリスマスケーキなどの拡販が多い | 2 | 2% |
会社に将来性が感じられない | 1 | 1% |
全体 | 98 | 100% |
辞めたい理由では「サービス残業が多い」「休みが取りにくい、年末年始や長期休暇が取れない」「仕事量が多い、体力が続かない」「長時間労働に耐えられない」「将来的なスキルが身に着かない」
以上が上位を占めてるのが分かります。
辞めたい理由の口コミ
27歳 男性
サービス残業や持ち帰りの仕事が多い。
openwork
サービス残業削減の取り組みはされているが、機能していない。
売場の作業が多く、時間内にデスクワークができないので、デスクワークは自宅に持ち帰ってすることになる。
各人の労働時間の上限が決められているために、それをオーバーすると上司から指摘されるので、持ち帰ってするしかない
元店長の考察
会社では、ここ数年かけてサービス残業の撲滅に力を入れています。
ただ、労働時間の予算が昨年ベースで決定され、それを超えると店長は会議で詰められるので、どうしても労働時間を予算内に収めようとムリをするのが実態です。
もともと、前年の労働時間の実績もサービス残業の時間は加味されていませんから、それをベースに作られた労働時間予算は全く意味がありません。
本来の売上げから業務に必要な「あるべき労働時間」を算出して、それに基づいた予算組みをしないと、店舗の人間には納得感が生まれないし、サービス残業も減らないと考えます。
25歳 男性
将来のことを考えたときに、この会社ではやっていくことは難しいと感じた。
openwork
最悪、土日は休みでなくてもいいが、盆・正月に休めないことは家庭不和の原因になる。
実際に、子供に顔を忘れられた上司もいた。
独身ならいいが、結婚して子供が産まれたら厳しい。
スーパー業界から転職を考えたとき、潰しが効かない、スキルも身に着かない。
若いうちならどこでも行ける。歳を取ると、スーパーで一生が終わる。
元店長の考察
土日に休めない。年末年始、盆、ゴールデンウィークに休めない。
私もこれがいちばん辛かった。
就職する前から頭では分かっているが、いざ結婚して子供ができると状況は違う。
当然、子供の学校行事は店の繁忙時。夏休み、冬休みもまとまった休みは取れない。
ゴールデンウィークには楽しそうな家族連れがバーベキュー商材を買いに来る。
これが一生続くのだから、かなりきつい。
やはり若いうちに転職したいと考えた。
26歳 男性
サービス残業はほぼ当たり前。
openwork
毎日、同じ仕事の繰り返しで職場の雰囲気も悪く、毎日「辞めたい!」と言う人がいて職場のモチベーションは下降気味。
拡販も大変。クリスマスケーキやボジョレーのワイン、母の日の花など。
予算があり、獲得件数が少ないと上司に詰められるので、自分で十数個を購入する人もいる。
年末年始、盆は休めず、連休も取得する制度はあるが、取得していてもこっそり出勤する人もいる。
元店長の考察
確かに社員拡販は多い。
一般のお客さんが買うより社員が買うほうが、はるかに多いのも事実。
私も店長の時に、予約獲得が思わしくないときはクリスマスケーキやおせちも数個を購入した。
その他にも「ひなまつり」「こどもの日」「父の日」「敬老の日」「お歳暮」「お中元」「お盆のごちそう」「年末のごちそう」など多種多様。
店長ともなれば年間で30万円くらいは社員拡販で消えていく。
あと、連休を取得する制度はあるが、通常の休みも消化できないのに連休なんて消化できるはずもない。
また、売場はシフト制なので連休は取れても最大「4連休」が限界。
26歳 男性
残業には非常に緩く、50時間くらいは普通にある。
openwork
だから開店から閉店まで働くのは常で、残業代は稼げるが体がもたない。
元店長の考察
これは、どうかな?
かなり誇張されているか、よほど変な店長の店舗だと思う。
今は生鮮部門でも7時~18時くらいなので、残業は多くて2時間。月間22日出勤しても最大で44時間くらい。
逆に生鮮でなければ月に20時間もないだろう。
27歳 男性
有給が全く消化できない。
openwork
盆やゴールデンウィークなどでは希望休は聞いてもらえない。
仕事内容もハードで体力的にもきつい。でも給料は安い。
クレームも多く、精神的にもきつい。
元店長の考察
通常の休みも消化できないのだから、有休の消化は難しい。
ただ、最近は少しづつ改善されつつあり、月に一回ぐらいは有休も消化できるようになってきた。
しかし、年末年始、盆、ゴールデンウィークのピンポイントの繁忙日は休めない。
年末年始であれば「12/24,12/30.12/31,1/1」、盆であれば「8/13,8/14,8/15」、ゴールデンウィークは地域によって「春祭り」があるので、その日は希望休は取れない。
仕事内容はハード、1日中立ちっぱなし。
給料は安いと言われれば安いが、上の役職になればそれなりにもらえる。
クレームは年々増加傾向。
特に70歳から80歳くらいのヒマな男性のクレームがかなり多い。
24歳 男性
給料もよくなく、やりがいも感じられない。
openwork
プライベートの充実感も無く、ただ仕事はつまらないだけ。
勤務時間が長く、仕事で一日がつぶれる。
元店長の考察
給料が高いか安いかは私の下の記事を見てもらうとして、確かにやりがいが無いのは事実。
私も毎日、仕事に行くのがいやだった。
とにかく、早く帰ることを考えていた。
特に小さな店舗の店長になった時は、まだまだ会社も長時間労働への意識は低くて、朝の7時から夜の10時半まで働いて本当にしんどかった。
店の予算も昨年ベースで組まれるので、伸びている店舗に行けばいいが、伸びていない店舗にいけば、とにかく早く異動したいと考えて過ごすだけだった。
![](https://taisyoku-otasuke.net/wp-content/uploads/2023/02/25234052_s.jpg)
28歳 男性
長時間労働で仕事がハードなため、身体が資本です。
openwork
重労働のため、身体を壊す社員が多く、常に人手不足です。
そのために社員は朝から晩まで働き続けなければなりません。
元店長の考察
長時間労働になる要因はいくつかあります。
・人手不足
・お客さん優先で自分の仕事が後回しになる
・報告書などの無駄な仕事が多い
人手不足は全く解消されません。
私が店長の時も店舗の人員が充足されることはありませんでした。
もともとの人件費予算が低い中で、その予算分の人員も集まらなのですから、店舗の人員不足は深刻です。
最近ではアルバイトさんも集まらないので、そのしわ寄せは全て社員にきます。
売り場ではお客さん優先で仕事しますので、どうしても自分の仕事(売場作り、発注、計画、報告書作成、シフト作成)が後回しになります。
くだらない報告書の作成も多い。
本部に新たな部署が増えると店の仕事は絶対に増えます。
作るだけの販売計画書、誰も見ない報告書。
何の意味があるのかわからない仕事、惰性で続けている仕事が山ほどあります。
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まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
他のスーパーの口コミでなく、私が勤めているスーパーの口コミなので、それなりに信憑性の高い口コミだと感じています。
今回の調査では辞めたい理由の1位は「サービス残業が多い」でしたが、私の感覚ではサービス残業に関しては最近はかなり改善されていると思います。
また、この問題は店舗の店長によっても変わりますし、本人の意識でも変えられる問題なので、今後の退職理由としては減っていく傾向になると思います。
しかし、「休みが取れない」「長期の休みがない」「年末年始、盆、ゴールデンウィークに休めない」という理由は今後も解消される見込みは少ないでしょう。
現に、私がスーパーを辞めたい理由もこれがいちばん大きかったです。
スーパーを退職する際に「スキルが無い」と悩んでる方。
それは、あなたが自分のスキルに気づいていないだけです。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
![](https://taisyoku-otasuke.net/wp-content/uploads/2023/04/26480661_s.jpg)