スーパーマーケットに就職 店長になるにはどうしたらいい?店長になるのに有利な売場は?スーパー歴40年の元店長が内緒で教えます。

  • URLをコピーしました!

新卒でスーパーに入社。「スーパーに入社したからには将来的には店長になりたい!」
「スーパーに就職を希望しているけど、店長になるのに有利な売場ってあるの?あれば希望してみたい!」
スーパーに入社したら、やっぱり目標は店長ですよね?
店長になると責任は重くなりますが、普通の社員とは年収が「1.5~2倍」になります。
では、スーパーの店長になるのにはどうすればいいのか?
店長になるのに有利な売場はどこなのか?
そんな疑問に一部上場スーパーで38年間勤め上げた店長がこっそりと答えを教えます。

あなたの市場価値が無料で分かる!

「ミイダス」であなたの市場価値を調べよう!

まず、結論から言いますと「店長になりたければ、食品を希望しろ!」ということです。

目次

スーパーに就職、店長になりたければ食品を希望しろ

店長になりたければ絶対に「食品部門」に配属を希望する。
これが大前提です。

一部上場のGMSといわれる総合スーパーには大きく「食品」「衣料」「雑貨」「サービス(通信、旅行など)」の売場があります。
「私は衣料売場に行きたいな」「私は可愛い雑貨売場がいい」というように食品を避けてスーパーに入社される方は完全に負け組です。
考えれば分かります。
あなたはスーパーで服を買いますか?キッチン小物を買いますか?
おそらく、ほとんどの方は「ユニクロ」「ニトリ」「ドラッグストア」で買うはずです。
スーパーで服を買うのなんて今や70歳以上のお年寄りしかいないのが現状です。
今のGMSは「衣料」や「雑貨」の売場は縮小、もしくは他社へのスペース供与に必死です。
既存の店舗の「衣料」や「雑貨」の店舗を持て余し、どのようにスペースを埋めようかと四苦八苦している状況です。
そんな縮小している売場には当然ポストも少なく、上に上がれる要素はありません。
今のGMSで「衣料」「雑貨」で利益を出している企業はほとんどありません。
スーパーの利益の要は食品です。
これからはGMSも食品中心の店舗へ大きく舵を切ります。
そんな中で食品を知らない、経験したことのない人に会社が店舗を任せることは考えられません。
どうしても「衣料」や「雑貨」をやりたい!という人はスーパーを選んではいけません。

✖印を出す人

それでは、なぜ食品でなければ店長になれないのか?

その理由を説明します。

スーパーに就職、なぜ食品売場以外は店長になれないのか?

今のスーパーは食品でしか利益が出せていません。
「衣料」「雑貨」は店舗の特性上、立地的なお客さんの要望、昔の売場が残っているなどの理由で仕方なく存続させているのが実情です。
本当は食品だけに特化して、生活必需品である「実用衣料」(肌着、靴下)「生活雑貨」(ティッシュ、トイレットペーパー、洗剤、ペットフード)を置くのがいちばん効率がよく、利益を出しやすいのです。
スーパーが今後も新店を作るのであれば、このような業態の店舗を多く作りたいと考えています。
そんな店舗の店長を指名するのに食品を知らない人を指名しますか?
当然、食品経験者を店長にしますよね。

食品と言っても売場によって有利・不利があります。

どの部門が有利なのか説明します。

スーパーに就職、店長になるならどの売場が有利なのか?

食品といっても色々な売場があります。
その中でも店長になるのに有利な売場はあるのでしょうか?
実はあるんです。
私が勤めていた企業だけのことかもしれませんが、解説していきます。

畜産売場

お肉を扱っている「畜産部門」ですが、今やほとんどの企業が「集中加工センター」を持って、そこからパックまで出来上がった商品を店舗に供給しています。
お肉は「牛肉」以外の「豚」「鶏」「ミンチ」はそれほど見た目の鮮度落ちが早くないので「集中加工センター」で加工されます。そのほうが各店舗で加工するより効率がよく、儲かるからです。
だから各店舗では「牛肉」の一部を加工しているくらいですから社員はほとんどいません。
そのため、「畜産部門」へ新入社員が配属されることは少ないですし、店長になっている人数も少ないです。

水産売場

魚を扱っている「水産部門」ですが、「畜産」同様「集中加工センター」からのパックで出来上がった商品も多く供給されていますが、それでも鮮度が大事な商品も多く半分以上は店舗での加工となっています。
最近の健康志向から魚を選ばれるお客さんも増えて、魚の品ぞろえのいい店や鮮度に評判の店は大きな集客力があります。
また、水産は同じ魚でも担当者の力量によって利益に大きな差が出ます。
担当者の采配の範囲も大きく、自分で考えて動ける人が多い。
さらに大きなポイントは鮮魚は経験者じゃないと内情が分からない。ということ。
なぜかというと、入荷した商品が大きく形を変えて売場に並ぶのは鮮魚だけなんです。
後述する「グロサリ部門」は入荷した商品がそのまま売場に並びます。
ところが鮮魚は違います。
例を挙げると「刺身盛り合わせ 980円」という商品があります。
あれは「刺身盛り合わせ 980円」という商品が入荷して売場に並ぶわけではないですよね?(一部 集中加工センターから入荷する店舗もありますが)
ほとんどの店舗は「まぐろ」「いか」「鯛」「かんぱち」などがそれぞれ入荷して、それをバックルームの加工場で加工して「刺身盛り合わせ 980円」という商品が出てくるのです。
このバックルームがくせ者で、水産を経験していないと加工内容が分からず、指導しようとしても、上手く担当者に言いくるめられてしまうんです。
それなら「青果」や「惣菜」も同じだろ?と思う方もいるでしょうが「青果」であれば大根は大根、キャベツはキャベツで少し包丁が入って形が変わるだけ、惣菜はそれぞれキットという形で入荷するのでそれほど複雑ではありません。
だから、水産が分からないと店長は上手く食品を運営できないんです。
それで、水産経験者は優遇されます。
もともとの配属者も多いのですが、それを差し引いてもに店長になる人は圧倒的に多いです。

青果売場

青果部門も強いと大きな集客力があります。
ただ、商品の特性上、競合店との価格競争に巻き込まれやすく、担当者の力量によって利益が左右されることが少ないのも事実です。
また、どうしても価格競争に巻き込まれて価格を下げざるを得ないので赤字の店舗が多いです。
商品管理も水産ほどシビアではありません。
私の印象では配属される人員は多いが、それほど多く店長にはなっていないと思います。

惣菜売場

私が入社した当時は全く存在しなかった部門ですが、社会情勢の変化とともに大きく伸びてきた部門です。
それに比例して配属人員も増えていますが、もともとの加工がパートさん中心の作業内容となっているので、水産ほど人員は多くありません。
そのために店長の絶対人数としては多くないですが、店長になれる確率はかなり高いです。

グロサリー売場

ラーメンやビール、牛乳やパン、玉子などを扱う売場です。
食品の中でいちばん売り上げも多いのですが、生鮮と比較すると店長になる人は少ないです。
やはり店長になるには食品で生鮮を経験している人のほうが登用されやすいです。
「グロサリ部門」は食品の中で唯一バックルームを持たない売場です。
だからオープンなので見た目にもわかりやすいし、指導もしやすい。
経験者でなくてもある程度売場の作業を理解できます。
そこがネックなのかなと思います。

食品レジ

食品レジはほとんどがパート社員で運営されるため、新卒ではほとんど配属がありません。

まとめ

  • 新入社員の配属先として人気は無いが「水産部門」が店長になれる可能性が高い
  • 「惣菜部門」も配属の絶対人数は少ないが、店長になれる可能性が高い
  • 店長になるには「生鮮」を経験することが強みになる

次は、意外に知られていないですが本部勤務も店長になりやすいです。

スーパーに就職、意外に知らない店長になりやすい本部勤務!

意外に知られていないが、チーフから本部の人事課に異動できたら店長になる可能性が高い。
やはり人事権を掌握している部署は優遇される。
人事から異動で店舗に出る際はかなりの確率で店長になれる。

最後に、なぜ女性はスーパーの店長になれないのかを説明します。

スーパーに就職、女性が店長になれない本当の理由

最近ではスーパーでも女性の店長が増えてきているが、それでも「5%」程度だろう。
なぜ女性が店長になれないのか?
よく言われるのは「結婚」「出産」があるが、それ以上に大きな理由がある。
スーパーの店長になるには「食品を経験する必要がある」と前述した。
その食品の業務を遂行するのに、女性では体力的なハンデが大きいということだ。
新卒で配属されるのは「水産」「青果」「惣菜」「グロサリ」になるが、どれも体力的、精神的にきつい。
「水産」は原料で大量に入ってくる。魚自体はそれほど重くないが、中に入っている鮮度保持のための「水氷」がかなりの重量になる。
それが大きい店だと大きなカゴ車で5台以上入荷して、それを荷下ろしする。
「青果」に関しても同じ。「玉ねぎ」「じゃがいも」は20㎏くらいのダンボールで入荷。それもカゴ車にけっこうな高さで積んである。女性の腕力では下ろせない。
「グロサリ」も夏場のドリンクなんて悲惨。今はペットボトルも大型化で600mlが主流。あれもケースに24本入っているので、ケース重量は約15㎏。それを夏場はカゴ車に3~4台入ってきて売場に出すのだから。
鍛えてる男性でもかなりきつい。
「惣菜」は唯一、重量物が少ない部門。問題は中で働いているパートさん。パートさんの絶対数が多いのが「惣菜」。
当然、パートさんが多いともめ事も多い。それを女性が捌くのは肉体的にも精神的にもきつい。

ということで女性が店長候補で食品に配属されてもなかな続かない。
小さい店舗では通用しても物量の多くなる大型店へ異動するとほとんどが辞めていく。

ストレス、過労、人間関係に疲れている人

これだけ、店長になるのは大変なのだが、果たして店長になって幸せなのか?

店長の幸福度について説明します。

スーパーに就職、本当に店長は幸せ??

店長になるには食品への配属。
それも「水産部門」か「惣菜部門」へ配属されると店長になれる可能性が高まる。

店長になると年収はチーフと比較して「1.5倍」、通常社員と比較すれば「2倍」近くになる。
ただ、責任はいっきに重くなるし、お客さんからのクレームもあって精神的に疲れる。
さらに労働時間もほぼ開店前から閉店までと長時間労働は避けられず、肉体的にもかなりきつい。

店長の収入の推移や業務内容が知りたければこの記事を読んで下さい。

店長のつらさが知りたければこの記事を読んでください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次