スーパー社員は底辺なのか?役職によって給料はどう変わる?スーパー歴40年の元店長が内緒で教えます!

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スーパー正社員と検索すると「スーパー正社員 恥ずかしい」とか「スーパー正社員 底辺」とかネガティブな言葉が上位に来ます。
私は新卒からひとつのスーパーで定年まで勤め上げました。
40年間で売場チーフ、バイヤー、副店長、店長と色々な役職を経験。
確かにスーパー勤務というのは大変なのですが、私の中では「恥ずかしい」「底辺」と思われていることが非常にショックでした。
というのも金銭的にはスーパーという業種はそれほど低くはないからです。
学生さんで「スーパーって役職でどれだけ収入があるのかな?」
または現状、スーパーに入社されてる方が「店長になれば、どれだけ給料がもらえるのかな?」
そんな疑問にお答えします。
年数でどんな役職について、どんな仕事内容で、どれだけ給料がもらえるのか。
詳細に解説していきます。

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まずは、気になるスーパーの社員の年収についてお話しします。

目次

スーパー社員の年収は平均より上?それとも下?

2022年度のスーパー社員の平均年収は「360万円」。
全体の平均年収は「403万円」ですから全体よりは確かに低いことが分かります。
ただ、全体の平均年収の中央値が「350万円」ですから、それほど底辺ではないですよね。
面白いのは、従業員数が多い企業(大きいスーパー)も少ない企業(小さいスーパー)も平均年収は「10万円」程度しか変わらないということ。
あと、食品を扱うスーパーというのは意外と安定しているんですよ。
食品というのは毎日必要なものですから好景気の影響もあまり受けないですが、不景気の影響も受けにくいんです。
私も38年間勤めましたが、給料や賞与の未払いや減額は一度もなかったし、コロナ時は内食需要拡大で臨時ボーナスが支給されました。
仕事は「長時間、立ち仕事、体力が必要、休めない、クレーム対応など」大変なことが多いですが、安定を優先される方には魅力的な職業だと思います。

それでは、就労年数や役職によって、年収はどのように変わるのか見ていきましょう。

役職ごとの仕事内容と給料はどう変わる?

年齢役職年収
20歳前半新入社員~チーフ300万円~350万円
20歳後半チーフ350万円~400万円
30歳前半チーフ~副店長500万円~550万円
30歳後半副店長~バイヤー600万円~650万円
40歳前半バイヤー650万円~700万円
40歳後半小型店店長700万円~800万円
50歳前半中型店店長800万円~850万円
50歳後半大型店店長850万円~900万円

新入社員 入社して 2~3年(22歳~25歳)年収 約 250万円

私の入社時は店舗数が30店舗。
私の場合、少し特殊で普通の新入社員の方とは業務内容が異なるのでその点はご容赦いただきたい。
ちょうど、畜産と水産の集中加工センターが開設されたので、最初の配属は水産の集中加工センターに。
今なら、水産の加工センターは深夜稼働が当たり前だが、当時はまだ女性の深夜労働が認められていなかったので、加工は早朝5時から。
学生の頃は深夜まで起きて昼頃起きるという生活が一変。
朝の3時過ぎに起きて出勤する。
作業は5時からであるが前準備のために4時過ぎには出社。
業務内容は魚の加工。
大量の魚を切ってはパック加工する。
加工場温度は鮮度維持のため「5℃」。
「寒い」「汚い」「しんどい」よく辞めなかったと自分ごとながら感心する。
定時は14時(昼の2時)であるが、残業も多かった。
19時まで残業のこともあったので13時間労働。
月の残業が100時間のこともあった。
ただ、残業代は全て支払われたので月に「20万円」の時も。
この時の給料は「18万円」くらいで賞与は「30万円」ぐらい。自宅から通っていたので余裕で生活できました。
休日は週休2日でしたが、土日は繁忙で休めません。また連休でなく平日に2日の休みを単発で取得するという感じでした。年末年始、盆、ゴールデンウイークは出勤。元旦のみが休日でした。
※以降も賞与の金額が出てきますが、賞与は年2回支給される分の1回分として記載しています。

明るい空の下の女性

売場チーフ 入社して 3~10年(25歳~32歳)年収 約 500万円

24歳で内部昇格してチーフになる。当然ですが、昇格するには昇格試験に合格しなければなりません。
その2年後に店舗へ異動。水産部門のチーフ。
朝は7時から作業。10時に開店。11時頃から休憩。
社員2名体制だったので、2名出勤の時は5時頃に退社(残業1時間)。
社員1名出勤の時は閉店作業をアルバイトに任せて18時退社(残業2時間)。
結婚するまでは給料が「25万円」賞与「40万円」年収「380万円」。
30歳で結婚してからは同じチーフ職でも手当が増えて年収「500万円」。
店舗は社員2名体制なので休めても4連休が限界でした。
シフト制のため自分が連休すると部下が連続勤務となるので。
当然、土日は繁忙で用事が無い限りは休めません。
唯一、新婚旅行で10日間休みました。これが38年間勤めた中でのたった一度の長期休暇でした。

副店長 入社して 11~16年(33歳~37歳)年収 約 650万円

33歳で売場のチーフから副店長に昇格。ここでも昇格試験がありますが、チーフの昇格試験とはレベルが数ランク上がって、いっきに合格率が下がります。
売場チーフの試験は90%程度合格しますが、副店長試験は50%程度でしょうか?
当然受けるためには人事評価がよくなければ受けられません。
副店長の業務は主に店長の代行とチーフのまとめ役です。
チーフの計画を確認して変更を指示したり、売場のシフトを確認して予算や仕事量と人員が合わない場合はシフトの組み直しを指示します。
当然、小さい店の副店長と大きな店の副店長では給料が違います。
あと、業績の良し悪しの給料に占める割合が大きくなりますね。
平均して給料は「38万円」、賞与は「90万円」と上昇スピードは速くなります。
私が副店長でもらった賞与の最高額は「108万円」でした。
休日は当然ですが土日は用事が無いか限りは休めません。連休も3連休以上というのはほとんどありません。

バイヤー 入社して 16~26年(38歳~47歳)年収 約 700万円

38歳で水産部門のバイヤーになりました。
副店長からは昇格でなく横スライドという感じ。
初めての本部勤務で、分らないことが多かった。
中でもバイヤーは今まで経験してきた店舗業務と全く違う専門職。
内容は仕入れ先と商談して商品を仕入れる。それを店舗に送る。
その他にも仕入れ先を新たに開拓したり、仕入れ先と新しい商品を開発したりします。
当然、水産ですから中央卸売市場にも行きます。魚のセリは朝の4時半から開始だったので家を出るのは毎日朝の3時でしたね。
商談する際は「その商品をどれだけ販売するのか?」「原価はいくらになるのか?」を仕入れ先と詰めます。
特に計画を見誤ると全店分ですから大きな機会損失を出したり、商品が余って大きなロスを出すことになるので、かなりの重圧はあります。
ただ、商品の仕入れは面白かったですね。
この時は給料が「45万円」、賞与は「80万円」ぐらいでした。
バイヤーは本部勤務のため、日曜日は休日でした。また個人の裁量で働けるので仕事を前倒しで済ませておけば、自由に休むことは可能ですが、実際は業務が多いので多くは休めません。
また、休みでも店から問い合わせの電話が自分の携帯にガンガン入ってくるので休んでる気がしませんでした。

店長 入社して 26~38年(47歳~68歳)年収 約 780万円~920万円

47歳で店長に昇格します。
店長昇格時は試験はありませんでした。
私の場合はバイヤーが専門職ということでなかなか異動できず、本部に10年も長きに渡って在籍したので、店長になるのは遅い方でした。
店長は早ければ、30歳後半でなることができます。
最初は年商「7億円」の小さな店舗です。
この店舗はかなり大変でした。
店の社員が私を含めて4人。私、生鮮食品チーフ、ドライ食品チーフ、平社員。
開店は10時で閉店は22時。私は朝7時に出勤して入荷する荷物の検品、商品の品出し。開店してからは商品の補充、レジの応援、電話応対、クレーム対応、売場の計画等、休憩するヒマもありません。
食事は17時に家から持参した弁当を食べて終わりです。
主任や平社員は8時頃出勤しますが、経費を考えると残業をさせられないので遅くとも18時には帰らせます。
そこからは残業が付かない店長の独り舞台です。
明日の売場の準備、レジ応援、閉店作業。
全て終わるのは22時半。そこから一時間かけて家に帰ります。飯も食べずに風呂だけ入って24時就寝。翌朝5時半起床。6時過ぎに家を出ます。
この時は着任して一ヶ月で体重が10㎏減りました。本当の話です。
この店舗は本当に大変でした。
休みも週に1回程度。
この時で給料「50万円」、賞与「90万円」くらいでしたね。
それからは年商「20億円」、「50億円」、「60億円」とステップアップしていき、最後の「60億円」の店舗の店長の時で 給料「60万円」賞与「100万円」年収「920万円」でした。
年商の大きい店舗のほうが大変かというとそうでなく、店舗が小さいほど店長への負担は大きいです。
大きい店舗ですと、私の下に副店長が「4人」、そして売場チーフが「15名」、担当社員が「30名」と正社員だけで「50名」もいるのですから、小さい店舗の「4名」と比べると12倍になります。
そんな大きな店舗の店長の仕事は主にショッピングセンター内のテナントさんのまとめ役や官公庁などへの対外的な役回りなので肉体的には楽でしたね。
朝は8時に出勤して夜は18時に退店ですから。
大きい店はきちんと休みは取れます。ただ、元旦から営業しているので年末年始は地獄です。
ここでも連休は3日まででしたね。

私が店長時代に起こった様々な事件を書いた書籍をAmazonkindle本で出版しています。
興味のある方は一読を。プライム会員なら無料で読めます。

どうですか?スーパーの低年収という認識は変わりましたか?

スーパー社員は底辺なのか?役職によって違う。少なくとも収入的には底辺ではない

ここまでお読みいただいてどうでしょうか?
どの職場でも役職によって仕事内容や収入は違いますので、一概にスーパー正社員が底辺とは言えないと思う。
収入も役職が上がればそれなりだし、私も子供3人を大学に進学させている。
また、一戸建てのマイホームもあり、退職金は「1,700万円」。年金の予定額は今現在「18万円」となっている。
なんといって食品を扱っているスーパーは不況に強いから「安定」と「そこそこの収入」を求める人には悪い業種ではない。
もし、スーパーを希望されるのなら、衣料や雑貨などの商品も扱っているGMSという業態の総合スーパーは避けることをお勧めする。
今やGMSに過去の栄光は無く、負の遺産である衣料と雑貨の売場を埋めるのに四苦八苦している。
スーパーを選択するなら食品売場に特化した「食品スーパー」がいい。
それも「水産」「青果」「惣菜」が強ければ、まだまだ伸びる可能性がある。
ただ、38年間スーパーに勤めた私が「今度、就職するときもスーパーに勤めますか?」と聞かれたら答えは「NO!」だ。
なぜかは下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、合わせてお読みください。

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